緑のモアナルアガーデンを 愛したハワイの王とは?

緑のモアナルアガーデンを
愛したハワイの王とは?

 

ハワイ文化に焦点を当て、ちょっと意外なハワイの横顔を紹介します。

ワイキキから車で20分ほどの緑の公園、モアナルアガーデン

モアナルアガーデンを知らない方でも、きっと「♪この木なんの木~気になる木~」のCMソングはご存知ではないしょうか? 

あの日立のCMの舞台が、ほかならぬモアナルアガーデンなのです。

そうなんです! CMで有名な美しい巨木(モンキーポッド。和名アメリカネムの木)は、ここハワイにあるんですよ。

しかもアナルアガーデンには、CMの木だけでなく同様の巨木が何本も! 涼しい木陰を広げ、ホノルル市民の憩いの場となっています。

 


日立のCMでお馴染みのモンキーポッドの巨木

さらに。モアナルアガーデンは自然のオアシスというだけでなく、歴史好きは要チェックのエリアでもあります。

モアナルア一帯はかつて、カメハメハ大王の孫、カメハメハ5世を含む王族が所有した土地でした。

実際、モアナルアガーデンには今もカメハメハ5世の建てた別荘が残っています。

私も過去、何度もモアナルアガーデンに行きましたが、現地のお友達と一緒に行ったことが、キッカケで、日立の木を見に…ではなく、歴史を知ることができました。

以下、簡単にその歴史を紹介していきましょうね。

 

カメハメハ大王がハワイ島、マウイ島に続いてオアフ島を傘下に治め、ハワイ王国を建国したのは1795年。

大王は叔父であるカメエイアモクに、モアナルア渓谷を譲与しました。

カメエイアモクは大王の双子の伯父の一人で、有能な参謀として大王の諸島統一を助けた人。王国建国にも力を尽くしたので、褒美としてモアナルアを与えられたのですね。

カメエイアモクの死後、美しいモアナルアを受け継いだのは、息子のホアピリ。

カメハメハ5世は大王の孫ではありますが、ホアピリの養子になっていたため、モアナルア渓谷全体を受け継ぐことになったのです。

 

カメハメハ5世が俗世を離れ
フラを愛でた景勝の地

ちなみにカメハメハ5世が王座に就いたのは1863年。

ですが、それより遥か以前の王子時代からカメハメハ5世はモアナルアをこよなく愛し、多くの時間を過ごしていたことが知られています。

1850年には優雅な平屋建ての別荘も建て、しょっちゅう宴会を催していた5世。

よくフラダンサーを招いては、友人たちと観賞したとのこと。

…アメリカからキリスト教宣教師がやってきた1820年以来、フラはみだらな邪教の踊りという誤解を受け、弾圧されていました。

つまりカメハメハ5世の時代にもフラは大っぴらに踊ることが禁止されていたわけですが、この別荘でカメハメハ5世は、密かにフラを楽しんでいた…ということになりますね。


カメハメハ5世の別荘も公園の一角に残る

さて、生涯独身を貫いたカメハメハ5世。

跡継ぎを残さないまま5世が亡くなると、モアナルア渓谷は数人の王族を経てカメハメハ王朝の末裔、バーニス・パウアヒ王女の所有地となりました。

王女の死後は夫の盟友だった実業家、サミュエル・デイモンに残され、今ではデイモン一族の一員の個人所有地として一般公開されています。

なお160年以上も前に建てられたカメハメハ5世の別荘は、残念ながら安全上の理由から入場禁止に。

ですが今も公園の一角に大切に保存され、間近に眺めることができます。

別荘周辺にはタロイモの水田や、鯉、鴨のくつろぐ池なども。

ジンジャーも綺麗に咲いています。

ぜひ時間をかけて、公園を散策してみてくださいね。

人懐っこいカルガモ… 近寄ってきて可愛いです。

 

自然の美しさだけではなく、歴史的にも興味深いモアナルアガーデン。

駆け足観光ではなく、ぜひランチを持参して、ロコに混じってのんびりピクニックを楽しんでみるのもオススメです!

 ワイキキで過ごすのとはひと味もふた味も違った、ハワイらしい時間が過ごせることウケアイですよ~。

是非、あの木の真ん前で、♪この木なんの木~気になる木~♪を口ずさんでみてくださいね。

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